歯医者が怖い理由はコレ!歯科医師として歯医者が怖い理由を真剣に考えてみました

2019/3/31公開 (2019/8/15更新)

こんにちは。 陽だまり歯科院長の猿田陽平です!

「歯医者へ行かなきゃいけない…」
「……」

という、歯医者に対する恐怖心について、今回は真剣に向き合ってみたいと思います。

皆さんは歯医者お好きですか?
歯医者ってできれば行きたくないものじゃありませんか?

僕自身、子供の頃から歯が悪く、歯医者が怖い中、何度も通わされた経験があります。 「歯医者に行かなければならない…」 そう思うたびにすごく恐怖したのを覚えています。

僕が歯科医師になるにあたり、これはひとつのテーマでした。
「何が歯医者を怖いと思わせているのか?」 これを突き止めて原因をできるだけ排除し、患者さんをこのストレスから解放したかったのです。

今回の内容は、今の段階での僕の結論ですが、もし僕が間違っていればガンガン教えてください! 僕たち歯科医師は患者さんにできるだけストレスなく歯科治療を受けていただきたいと考えています。

「歯医者に行ったら歯を削られた…」

みなさん、どうでしょう?
この一言で僕の言いたいことが伝わるでしょうか?

風邪を引いてお医者さんにかかるとみなさんこう言います。

「風邪を引いたのでお医者さんにお薬を出してもらった」

ですが、虫歯になって歯医者へ行くと

「歯医者に行ったら歯を削られた…」
「虫歯がひどかったみたいで神経とられた…」

伝わったでしょうか…

僕たち歯医者は一生懸命患者さんのお悩みを解決しようと治療を行っていますが、どうしても歯医者こういうイメージが強いようです。

「歯が痛かったから歯医者に行って虫歯を治してもらった!」
「虫歯がひどかったから神経を取ってもらった!」

そう言ってもらえるような歯科治療を目指すために、「なぜ歯医者は怖がられているのか?」
怖がらずに治療を受けてもらえるよう、その理由を考えてみました。

一言でまとめると僕の結論はコレです

細かい部分ですと、まず五感に関することがあると思います。

歯を削る音…
独特の薬品の匂い…
麻酔や治療の痛み…

もちろんこれらはどれも怖い理由だと思いますが、僕自身の経験談から導き出した最終的な答えは、
「何をされてるか分からない」 という恐怖心が大半を占めるのではないか、ということでした。

歯科治療では歯を削る場合に水が出る機械を使います。 僕たち歯科医師はよかれと思って、患者さんに

「水がかかるといけないので、顔にタオルを掛けますねー」

とタオルで目を伏せてしまうわけですが、目が見えない状態で「チュイイーーーーーン」と攻撃的な機械の音が耳のそばで急に鳴るとどうでしょう。

待って!
歯を削るのは聞いてたけど、まだ心の準備ができてない!

となってしまいませんか?

「何をされてるか分からない」対策

僕はこれらの恐怖心を排除するために、治療の際にはこれから行う事を逐一ご説明しながら治療をします

「風かけますねー」
「のどのお水吸いますねー」
「では今から削っていきますねー」
「光を当てていきます」等々。

小児のお子様や恐怖心の強い方には、治療に使う器具を先にお見せすることもできます。
(写真は当院の麻酔で使用している電動麻酔器)

「何をされてるか分からない」歯科治療の例

風が出ます、水が出ます

歯のクリーニングを行ったり、歯を削ったりと、歯科の基本的な処置では風や水が出ます。

風は、当てたところを乾燥させたり、歯の状態を確認するために風で刺激を与えたりします。

水は、洗い流したり、削る際に切削器具の回転で歯が熱をもたないようにするために使います。

次に口の中に入ってくるものが何か分からない

歯科の治療では、

  • ミラー(鏡)
  • 金属の棒
  • 超音波の清掃器具
  • 麻酔の注射針
  • 歯を削る器具
  • 水が出る機械
  • 風が出る機械

と、これでもまだ一例ですが、非常に多くの種類のものがお口の中に入ります。

この中には患者さんからすると心の準備が必要なものも含まれているでしょう。

次にどのような器具がお口の中に入ってくるのか、先に言ってもらわないとそれは怖いのではないかと思います。

光が出るので目を開けないよう言われた(その後にピーと音が鳴った)

これはレジンを光重合させる時の操作ですね。

レジンというのは虫歯で削った部分を修復するために歯科で扱うプラスチックです。
削った部分をぴったりと埋められるように、最初は柔らかい状態になっています。 この柔らかいレジンを削った部分に埋めたあと、これを硬化させるために専用の光照射器で光を当てます。

この時に「目をあけないでくださいねー」とお伝えします。 光照射器のスイッチを入れた時にはピーと音が鳴ります。

この後に咬合調整がありますので、下の「何か紙のようなものを噛まされて、歯をカチカチするように言われる」の部分も読んでみてください。

何か紙のようなものを噛まされて、歯をカチカチするように言われる

これは咬合調整ですね。
赤や青の『咬合紙(こうごうし)』という紙を使って、噛み合わせの状態を確認する操作です。

咬合紙はカーボン紙のようになっていて、カチカチ噛んでもらうことによって今どことどこの歯がどのくらい当たっているのかが分かります。
体に害のあるものではありません。
歯に付いた色については、治療後に洗い流します。

診察台のそばで火を使っていた

申し訳ありません、歯科はチェアサイドで意外と火を使います。
根っこに詰め物をする時、銀歯などの噛み合わせを見る時、入れ歯を作る時・合わせる時など。

どのような状況でも、患者さんのお口の中に熱したものを入れる時は火傷するような熱さではないことを確認してから処置を行っています。 根っこの詰め物の時は熱いままですが、患者さんの肌や唇、歯ぐきに触れないよう細心の注意を払っています。

そうですよね… 熱したものを口の中に…というのは恐いですよね。
僕の方でもこれまで以上に注意をして声かけをさせていただこうと思います。

途中で人が変わった

これは歯科医師と歯科衛生士が交代したのだと思います。
歯科医師がお口の中を見せていただき、その後、歯の型をとったり、歯のクリーニングを行う際に歯科衛生士と交代します。

歯科医師も歯科衛生士も共に国家資格ですが、専門とする範囲が違います。
僕たち歯科医師も歯のクリーニングや型取りができますし、その資格ももっていますが、歯科衛生士はその専門家です。 なるべく質の高い治療をご提供できるよう、当院でもそれぞれが専門とする分野を担当するようにしています。

「何を言ってるか分からない」

治療中にスタッフへ指示する時などに、患者さんからすると「何を言ってるのか分からない」言葉を使うことがあります。

患者さんにご説明する時はもちろん専門用語を使わずに、分かりやすい言葉で説明するよう心掛けています。 あくまで「何を言ってるのか分からない」言葉は歯科医師や歯科衛生士との会話の中で出てくる言葉です。

ですが、ご自分の頭の上をよく分からない言葉が行き交うと不安になる患者さんもおられるのではないかと思います。 もし事前に知っておくことで安心できるのであれば、是非読んでみてください。 次のページにまとめています。

歯医者で聞いた気になる言葉、分かりやすく解説

今回は歯医者で耳にすることがある聞き慣れない言葉がどういう意味なのかご説明します。 ご自分の頭の上をよく分からない言葉が行き交うと不安になる患者さんもおられるのではないかと思います。 「分からない」ということは恐怖心につながると僕は考えているので、不安に思われた方、ご興味のある方はぜひこの記事を読んでみてください。

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「歯医者の麻酔が怖い」

歯科の治療では歯を削ったり、歯ぐきを切ったりと、痛みを伴う治療を行うことがあります。 もちろんこの痛みは麻酔で抑えて治療をするわけですが、この麻酔自体の痛みが怖い方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

当院では麻酔が怖い方のために様々な配慮を行っています。

  1. 事前に表面麻酔
  2. 細い注射針を使用
  3. 電動麻酔器を使用
  4. 麻酔薬を人肌に
  5. まずはじっくりお話して納得してもらう

詳しくは次のページを読んでみてください。 「こんな風にしてもらえるなら麻酔も我慢できそう!」と感じていただけたら嬉しいです。

歯医者での麻酔は怖くて当然!そのための当院の取り組みをご紹介します

当院で行っているなるべく痛みを感じずに治療を受けていただくための取り組みをご紹介しています。 歯科の治療では歯を削ったり、歯ぐきを切ったりと、痛みを伴う事が予想される治療を行うことがあります。 もちろんこの痛みは麻酔で抑えて治療をするわけですが、この麻酔自体の痛みが苦手な方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。 この記事を読んで「こんな風にしてもらえるなら麻酔も我慢できそう!」と感じていただけたら嬉しいです。

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まとめ

いかがだったでしょうか。

患者さんの歯科に対する恐怖心は、僕たち歯科医師が真剣に向き合うべき課題のひとつです。

できる限り安心して治療を受けていただけるよう日々改善していっていますが、もし足りない部分があれば遠慮なくおっしゃってください。

陽だまり歯科はあなたのご相談をお待ちしております